Amir Habib Shaikh

多くの人にとって、ターバンを巻き、服装が全く異なるムスリムは、神秘なベールに包まれた特殊集団と言えるでしょう。新聞や映画のストーリから、ムスリムについて表面上の理解をしている人もいるかもしれません。ムスリムの人口は、年々増え続け、今では17億人以上にもなりますが、台湾の住民にとってムスリムは、今尚、遠く離れた中東国家と同じくらい想像もつかない存在です。

宗教や生活のスタイルが台湾と大きな違いがあるのにも関わらず、ある1組のムスリム国際結婚夫婦がこっそりと台湾台東県へ移り住み、陰ながら精神的にこの地に貢献しています。Amir Habib Shaikhさんは、「台東の子供達がとても可愛かったので、『この子たちの力になりたい!』と思っのが、この地に引っ越すことになったきっかけです。」と話しています。

彼は、もう台湾で15年以上も生活しています。もともと台湾へは電子部品の仕入れをしに来ていたのですが、台湾の奥さんと知り合い、恋愛の末に結婚しました。当時、彼は、故郷のパキスタンと台湾を何度も往復していましたが、最終的に台湾北部に定住しました。ある時、家族旅行で訪れた台東で、その地の平和で落ち着いた環境と、その美しい風景にすっかりと心を奪われ、また、部落で出逢った原住民の子供達との触れ合いが、この夫婦に台湾の裏庭への移住を決心させました。Amir Habib Shaikhさんにとっては、この地は、落ち着いて平和な生活を過ごす以外にも、部落の子供に英語を教えることができるまさに最高の土地だったのです!

イスラム教の食生活の習慣は、一般の習慣とはとても異なることもあり、台東のムスリムの人口は非常に少ないです。また、Amir Habib Shaikhさんは、「私たちは、毎日礼拝を5回しています。また、豚肉を食べたりすることも、飲酒をすることも禁じられています。これは、イスラム教の基本的な教えで、必ず守らなくてはならないルールです。」と,真剣に説明しています。彼らが台北から台東へ引っ越してからは、台北のムスリムの友達が、彼らに、この地で、ムスリムが安心して食べられるお弁当を作って旅行客へ提供することを勧めました。当時、台東地区には、まだハラール認証(注釈)のレストランがなく、彼もまた、よく台湾のムスリム旅行者が台東に旅行に来た時は、卵やドライフードでしかお腹を満たすことができず、とても大変だという話を聞いていました。

ヒンドゥー教のお弁当作りを始めてからは、少しずつ彼らに興味を持つ旅行業者が現れ、より多くのムスリムが安心して食事ができ、礼拝のできる祈祷室を提供できるハラール認証レストランの開設を望む声が更に増えました。Amir Habib Shaikhさんは、「ムスリムの人々にとってハラール寺は、家のような場所です。ハラール寺で礼拝することで、安心できるのです。」と話しています。台東には、沢山の教会やお寺がありますが、ハラール寺は一軒もないこともあり、ムスリムの台東観光を広めるのには少し難しい部分がありました。そこで、彼らは台9線上でハラールレストランをはじめ、イスラム教の教えを遵守した食品を作り、ムスリムの人々が台東で美しい景色を楽しめるだけでなく、安心して地元の食材から作られたハラール料理を食べられるようにしました。

台東の人里離れた部落の子供たちの世話をする以外に、Amir Habib Shaikhさん夫婦は、オンラインショップを立ち上げ、1000億ドルもの需要があるハラール市場にハラール認証を得た台東特産物を販売し、中東国家や東南アジアのヒンドゥー教の国家、良質な台東物産を知ってもらうことを目標にしていました。

Amir Habib Shaikh

「台東市は、とてもフレンドリーで住みやすい都市です。私のムスリム友達も皆、ここに移住したいとは言いますが、この地にハラール寺がないことが、彼らを躊躇わせています。」Amir Habib Shaikhさんは、毎日、自宅で祈祷をしていますが、離れた土地から来るムスリム旅行客にとっては、ハラール寺がないことは、心の支えがないことと同じで、どうしても不便に捉えられてしまいます。これでは、ムスリム旅行客が、台東への旅行を躊躇うのも頷けます。「美しい東海岸に、台湾でもっとも特色のあるハラール寺を建設すれば、ムスリム旅行客は、こぞってこの地を訪れるでしょう!」と、期待に満ちた表情でAmir Habib Shaikhさんは話していました。Amir Habib Shaikhさんは、台東のレストランやホテルなどから接待環境を改善し、台東にもムスリム旅行客の波を引き寄せ、台東のフレンドリーさと人々の暖かさをヒンドゥー教の友達にも感じて欲しいと考えています!

注釈: ハラール認証清真認證(Halal Certification)は、イスラム法を起源とし
ており、ムスリムの日常生活における食品や体に触れる製品などは、イスラム教の教えを遵守していなければなりません。すなわち「ハラール」とは、不潔な物(例えば、豚やアルコール)を意味しています。「ハラール」は、ムスリムの食品や、体に触れる製品の原材料の規定が徹底しており、工場設備や製造機械、保管庫、物流、さらには小売り販売まで、原料から商品までの全処理がイスラム法に遵守していなければなりません。 (参考資料:https://asean.thenewslens.com/article/69733)