宿命、それとも運命だというべきでしょうか。人生のパズルは、はっきりとはわからないことが多いが、果敢に冒険をすることで、はっきりとした形が見えてきます。福長美千代さんは、夢を実現し始めた頃のことを思い出しながら「創業のアイディアが芽生える以前に、Flight Caféの名前がすでに脳裏にあったんです!」と可愛らしい笑顔で軽やかな声で、当初の出来事を話してくれました。元々は、台湾・台北で5年間仕事をしていた彼女でしたが、台湾列島一周をしにきた父親が、台東での滞在期間を非常に気に入り、彼女にも一度は台東を訪れてみるべきだと勧めていたこともあり、二、三度、台東を訪れた彼女は、台北の仕事を辞職し、台東へ移り住むことに決めました。

Flightcafe

店主の気質が溢れ、個性溢れる温かみのある日本の雑貨風(Zakka風)がの明るくシンプルな雰囲気が漂うFlight Caféの店内は、ウキウキするような気分にさせてくれます。福長さんが夢を実現させたコーヒーショップですが、以前、困難に遭遇しました。「ニパルタック台風が通過し、コーヒーショップは大きな被害を受けました。そのこともあって、私たちはここに引っ越してきたんです!」仲間と友人の協力もあり、福長さんは台風にも負けずに、引っ越し先を見つけ、Flight Caféの再起に奮起し、真心のこもった料理を友達に振る舞い続けました。「私は、作ることが一番好きなので、どんなに辛くても嬉しいと思えるんです。」と彼女は話してくれました。日本人の細かい心遣いと謙虚な性格が、福長さんの性格によく現れています。事業の経営であろうと、台東での生活であろうと、彼女はいつもポジティブ思考で向き合っています。彼女が理想を追い続けられるのも、このポジティブ思考でいられるからなのです。

台東に住む外国人で、日本人はそれほど多くなく、福長さんは台東には日本の友達があまりいません。お店がお休みの時は、家で天然手作り石鹸を作ったり、お店のメニューを研究しているそうです。福長さんは「日本の友達が来ると、山好きでも海好きでも、台東には行くところがいっぱいあるんです!」と話しています。そして、「例えば、コーヒーを飲みながらのんびり海を見たりするなら金樽に行けばいいし、もし、静かなところが好きなら三仙台に行くんです。」と教えてくれました。福長さんは、台東の自然風景を日本の友達に紹介する以外にも、部落の豊年祭に参加したこともあります。「原住民のお祭りがすごく好きで、彼らの伝統服飾にもすごく興味があります」と彼女は話しています。そして「私の父は、自分でバスに乗って花蓮から台東まで行くのが好きなんです。魚釣りが好きなので、父を海に連れて行って釣りをしたことがあるんですが、一匹も釣り上げたことなんかないんですよ!」と話し、話終わると自分でも吹き出していました。平淡に見える台東の日常も、福長さんにとっては、春風が吹くような素敵な場所なのです。

Flightcafe

「台東は、日本の田舎とほとんど同じような感じで、親切で照れ屋な人もいれば、情熱的でアグレッシブな人もいます。台東に、もっとたくさんの特色溢れる商品と地元グルメがあれば、私の友達が来た時に日本に持ち帰って紹介することもできると思っています。」と彼女は話しています。たまに、ホームシックになることもありますが、また東京に戻って定住しようとは考えたことはないそうです。福長さんは、台東を日本の友達に紹介し、この地に住む全ての人々がこの地を愛し、美しい自然の景観を守り続け、台東の貴重な資産を残していきたいと願っています。両親のサポートの下、彼女は遠路はるばる台東の土地に降り立ち、夢の種を植え、すくすくと成長さえ、見事に夢を実現させました。そして、この台東の土地をこよなく愛し、自由気ままに快適な生活を送っています。彼女は、台東が長期滞在、永住に適した土地であること、そして、希望や夢を実現させる場所でもあることを証明してくれたのです!