「人莫不飲食也,鮮能知味也(人飲食せざるなきなり、よく味を知ること鮮(すく)なきなり)」という論語は、数千年前からあります。この頃から、食生活による損得を見出し、つまり私たちが追求する食体験の多くは、その大部分が味の濃い料理や珍しい食材を使った多彩な料理が特徴的で、素材本来の味に着眼し、それを味合うことでゆっくりと幸せや喜びを体験することは、ほとんどありませんでした。例えば、豆腐の香りについて説明することができる人はさほどいませんでしたが、今回、池上で豆芳華池上豆屋で豆腐の本来を見つけました。

豆芳華

ほのかな香り、まろやかな味

豆腐は、まろやかな豆の風味となめらかな食感が特徴的です。豆腐料理といえば、様々な美味しい料理が思い浮かぶことでしょう。豆腐は、他の食材の味を邪魔することなく、様々な食材と一緒に食られることが多いので、特に脚光を浴びることもありませんが、豆腐独特の風味が失われることもありません。

「因其不爭,故而獨特(競争しないからこそ、ユニークさがある)」。豆腐の軽やかな香りが舌に触れることで、素材の香りと調和するのです。豆腐は、ゆっくりと噛んで味わうことで、その本来の旨さが感じられるのです。ただ食べるだけでなく、自分の手で豆腐を作れば、素材と私たちの密接な関係を実感することができます。豆芳華池上豆屋は、人と大豆の物語をインスパイアしたのです。

Photo:豆芳華FB

豆芳華

自分の豆腐をつくろう

食べた時の満足感は、舌、つまり味蕾だけでなく、素材に対する知識や生産体験も関係しており、その体験がより奥深い感動を残してくれるのです。

私たちが食べている豆腐の多くは、安く仕入れた大豆を原料として工場で生産されており、凝固剤として石膏粉が使われているため、香りも味も落ちていることは知らない方もいるかもしれません。「豆腐哥(豆腐兄さん)」と呼ばれている豆芳華のオーナーの張志中氏は、2012年に池上で豆屋地を開き、地元ならではの豆腐料理を提供するだけでなく、豆腐作りの教育も行っています。豆芳華では、豆腐本来の味と感動を取り戻すことを目指しています。

張志中氏は、池上で自ら大豆を育てています。高雄10号大豆はミルキーな風味、そして台南4号豆は甘みがあり、この二種類の大豆が香りと甘みのある豆腐を作り出せるのです。池上の豆屋では豆の産地を知ることができ、豆腐のふるさとを見ることができます。張志中氏は、この広大な大豆畑で、除草剤や化学肥料を使わないで大豆を育てています。「粒粒皆辛苦(四字熟語、こつこつと苦労や努力を重ねること)」のように手間のかかる有機栽培で瑞々しく安全に育てた経験を皆さんにお伝えしています。緑豊かな畑の中で、都会で暮らす人々たちは、大豆の栽培方法に驚かされます。

自分で作れば、きっともっと美味しいですよね!自分で作れば、素材に親しみを感じられます。張志中氏は、お客さんにも家庭的な豆腐作りの技術を伝えています。一緒に豆を浸したり、挽いたり、茹でたり、搾ったりして豆腐作りを体験しませんか。まず、大豆を5~6回繰り返し搾って液を濾し、搾取した豆乳を大きな鍋で沸騰させ、吹きこぼれないように撹拌しながら、泡をすくい取ります。 豆腐の香りはこの工程で決まり、火加減と時間が重要なポイントです。豆乳の温度が少し下がったら、3回に分けてゆっくりと台南・七股の塩田のにがりを入れて撹拌し、凝固させます。豆乳が凝固したら、杉の木からできた豆腐の型に流し込み、蓋に重石を載せて水切りをすれば豆腐の完成です。水切りの度合いによって硬さが変わるので、豆腐や高野豆腐などの種類によって水切りの度合いが変わります。

自分が作った豆腐を包んだ木綿布を開く瞬間は、テンションがすごく上がりますよ!

Photo:豆芳華FB

豆芳華

豆腐料理のごちそう

産地を訪ねて手作りするワクワク感の余韻に浸りながら、豆芳華池上豆屋で、豆腐料理を楽しみませんか。地元の新鮮な食材をふんだんに使った巧みな調理法で、素材本来の味を最大限に活かした豆腐料理が堪能できます。

豆芳華では、豆腐をいろいろな美味しい料理に変えています。主食には3種類の豆腐料理があり、〈薑黄豆腐 × 梅子番茄莎莎(豆腐のウコン漬け×梅トマトサルサ)〉は、冷奴に梅とトマトのピクルスが添えられた前菜のサラダのような料理で、爽やかで甘酸っぱい味が食欲を掻き立てます。〈鹽鹵豆腐 × 本島地產醬油(にがり豆腐×本島地産醤油)〉は、にがりでできた密度が低く、隙間が大きい豆腐を古代製造方法で土瓶で造られた醤油をかけています。風味豊かな醤油が豆腐の芳醇で純粋な香りを引き出しています。そして、〈黑豆豆腐 × 私房蔬食炸醬(黒豆豆腐×自家製ベジタリアン揚げ豆板醤ソース)〉は、黒豆豆腐の独特の香りと自家製ベジタリアン揚げ豆板醤ソースが相まって、何杯でもご飯が食べれます﹗

サイドメニューには、地元台東の食材を使った野菜料理があります。〈豆渣煎餅 × 原客香草(豆板醤パンケーキ×ハーブ)〉は、豆腐かす、イノンド、カラスザンショウを入れてフライパンで炒め、サクサクとした食感と大豆の香りが楽しめます。〈風土味噌 × 蔬菜高湯(風土味噌×野菜スープ)〉は、大豆の濃厚な味わいが広がる味噌汁に新鮮な野菜が入っています。〈季節野菜 × 清油麻薑(季節の野菜×胡麻生姜)〉は、朝仕入れた地元野菜を使っており、さっぱりとした味わいとごま油の香りが口いっぱいに広がります。〈池上小農 × 友善稻米〉の白米は、一口食べるごとに芳醇な香りとしっかりとした粒感を感じられる全国チャンピオンの邱垂昌白米を使用しています。食後の鹽鹵豆花(にがり豆花)はデザートにぴったりで、厳選された紅棗としっとりとした黒糖シロップと一緒に食べると、ヘルシーで昔ながらの味が楽しめます。

Photo:豆芳華FB

自分たちで豆腐を作り、連なる大豆畑を目の当たりにすれば、一口一口の濃厚な食感の豆腐に敬意が生まれます。お豆腐とのデート、おすすめです!本物の大豆の旨さを噛み締めながら、人と土地との真摯な対話を体験しませんか。