近づいてきた秋とともに、日が落ちるのもだんだん早くなってきました。秋風が立つ中、街をゆっくり散歩するのもとても丁度いい台東です。ここの天気は2年前に台東まで引っ越してきたジュリアやミカエルを魅了し、それ以来彼らは台東と恋に落ちました。毎日心を込めて、彼らはドイツ料理のレストランを経営しており、本場伝統の味を台東の皆様にも楽しんでいただける機会を提供しています。

Michael

「ミカエルと私は以前台北で事務職に就いておりましたの。ある日、台東でホテルを経営している友達に台東でレストランを開くことを勧められましたわ。そんな彼の言葉に促され、私たちは仕事を辞めて台東に引っ越してきたの!」とジュリアは満面の笑みで語りました。今では大きな声で移住について語ることができますが、その当時はかなりのリスクを抱えておりました。「正直な話、私は移住するまで台東についてほとんど知らず、家族旅行でミカエルとずっと昔に訪れたことがあるくらいしか記憶にありませんでした。私の印象では交通が不便で、小さなレストランはたくさんありますが、特別なレストランはほとんどない感じでしたね。」そんな薄っすらとした印象のみにも関わらず、今では台東が家になり、彼女たちのドイツ料理のレストランもお客さんの間で評判がとても良く、毎晩満席になっております。

夫のミカエルはドイツのシュトゥットガルト出身で、そこはドイツで6番目に大きい工業都市であり、メルセデスベンツの発祥の地としても有名です。そこには絵に描かれたような美しい景色がありますが、長くて寒い冬もあるので、どちらかと言えば台湾の天気の方が好きだと言うミカエル。台東は山あり海あり、美味しい空気ありと、昔住んでいた台北にはなかったものばかりです。「鹿野にレストランを構えていた頃は営業時間前に県道197をドライブして、泳ぎに行ったり、海岸へコーヒーを飲みに行ったりしていました。台東市に引っ越してから更に海が近くなりましたわ。ここの綺麗な景色は登山や水泳が好きなミカエルにとって仕事の後のくつろぎのひとときに最適なものとなりました。いつもは午後の2時3時頃にお店に入り、シュバイネハクセの制作に取りかかります。まずは一時間ほど大量の香辛料とともに煮込み、また一時間かけてじっくり焼く、とても手間暇かかる料理なのです。」インタビュー中にもミカエルさんはキッチンに出入りされとても忙しかったのですが、香りがだんだん外まで伝わり、実際の料理がどれほど美味しいものか期待が膨らみました。料理するということは幼い頃から培ってきた舌以外、感性や才能も問われます。「ドイツ料理のみならず、旅行中などで美味しい料理を口にした時とかは、家に帰って再現してみることもありますよ。」ミカエルはとても上手な中国語でそう言いました。

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異国でドイツ本場の味を再現することはとても難易度が高く、台東ではその難しさが更に増します。「いろんなチーズや香辛料など必要なのですが、台東にはないものがほとんどですので、台北から取り寄せる以外ないのです。でもお客様の喜ぶ笑顔を見ると、それだけの価値があることに改めて認識するのです。楽しい夜には美味しい料理も深く心に残ります。私たちは台東に少しでもドイツ色を滲ませ、多様性が生まれたらいいなと思っています。美しい景色以外にも美味しいものが待っていることを観光客にもっともっと知ってほしいです。」それはジュリアとミカエルの夢であり、彼らを動かす原動力でもあります。