「故郷以外の場所で2年も住み続けるのは、そんなに簡単なことじゃないよ。でも、もし、その場所で10年も住み続けているのなら、それは、その場所が好きで好きで仕方がないってことさ!」2007年の夏に南アフリカから台東に移り住んできたMattは、目をキラキラさせて、まぶしいほどの笑顔でそう語っています。最初はサーフィンを学ぼうと訪れた台東、そこで素敵な奥様と出会い、あっという間に11年以上の月日が過ぎ、子供にも恵まれ、今ではすっかり台東人です。

Matt

Mattの故郷は南アフリカ臨海のEast Londonにあります。天候以外の地理的条件は台東とほとんど変わらず、台東も故郷も同じような感覚で生活しています。「ここの環境と人は、本当に素晴らしいんだ。正直に言うと、台東に来た最初の1ヶ月でここに住みたいと思うようになったんだ。」Mattは、台東にきた当初は中国語が全くできませんでした。しかし、親切で情熱的な台東人とコミュニケーションを取るうちに、ここで中国語を学ぶことに怖さを感じることもなくなりました。

「台東は観光地だけど、でも、ボクみたいな外国人に押し売りとかはしないんだよ。ただ、人助けをしたいって思ってる人がたくさんいて、本当に驚いたよ。すごく感動したね!」Mattは、台東に来た当初の暖かい思い出を嬉しそうに話してくれました。今、彼は台東市の國小(小学校)で英語を教えています。Mattと友達のDaveとQueeniは、子供たちにもっと英語に興味を持ってもらえるように、オリジナルの教材を作成したり、英語の童謡(註一)を録音したり、また、簡単な単語が口ずさめるような動画を作って授業をしています。これらの教材や作品は、プラットホームで供用され、大人から子供までみんな一緒になって使えるようになっています。 「ちょっとしたインスピレーションが降りてきて、なんとなく作ってみたんだ。そしたら、楽しくなってきちゃって、色々なアイディアが次々と出て来るんだ。最終的にはどうなるかわからないけど、みんなに楽しく英語に触れ合ってもらえるように素晴らしい動画を作っていくよ!」と、彼らは力強く話しています。

Mattは、台東で子供たちに英語を教えることに幸せを感じています。ピュアで活発的な子供たちと楽しく触れ合いながら、貴重な資源である山と海に囲まれて生活ができるからです。「南アフリカの人もほとんどの人が海辺に住んでいるけど、仕事で忙しくて悠々と海辺の生活なんか堪能してる暇なんてないんだ。それに比べて、台東はスローライフにピッタリの都市なんだ。仕事の合間や休みに山や海を走り回れるし、どこへ行ってもキレイな景色が広がっていて、素敵なことにたくさん出会えるんだ。」Mattのお気に入りは大自然の緑が広がる森林公園、他では見られない特色があふれる鐵花村、山と海が両方楽しめる三仙台です。それから小さくても芸術性にあふれた美術館は、子ども連れて散歩をするのにピッタリの場所だとお勧めしています。「台東の学校は、放課後はオープンスペースになっていて誰でも自由に出入りできるけど、南アフリカじゃそんなことありえないんだ!」Mattは、台東はまるで天国のような場所で、プライスレスの安心感を感じながら平和に毎日を過ごせる場所なんて、そうそう見つからないと力説していました。また、台東政府の仕事ぶりもしっかりしているので、安心して生活できると話していました。

台東に来たからこそ、Mattは夢だったサーフィンに乗ることができるようになり、仕事に結婚、そして子供にも恵まれ、毎日がとても充実しています。当初は、まさかここに移住して来るなんて思っていなかった彼は、今では毎日のように「ボクは、本当に幸せだ。こんなに美しい場所に住めて、文句のつけようのない生活が送れるんだから!」と心から感謝をしています。

(註一)童謡チャンネル Rock a doodle doo