Taitung Times Vol.05.2021 - time for taitung
台湾の歴史を垣間見る 八仙洞
台湾の歴史を垣間見る 八仙洞

台湾の東南部に位置する台東、豊かな自然や見渡す限りの太平洋の絶景などが最もイメージ深いと思いますが、海岸線の北側に決して見逃せないスポットがあります。初見だけではただの洞窟にしか見えませんが、ここ八仙洞に実は文化遺跡が眠っているのです。

台東県の最北端、長濱郷三間村に位置する八仙洞は自然に形成した数々の海蝕洞の通称であり、昔話『八仙過海』からネーミングされました。1968年に地質学者が調査に向かった結果、日本統治時代から道教・仏教の神が祀られ、和尚さんが住み着いていたことを発見し、洞窟には仏像や祭壇、さらに遺骨までたくさんありました。この状態が長い間続きましたが、政府は何度も考古学者を送り込み、八仙洞に潜む歴史がようやくはっきりと見えてきました。この地から旧石器時代後期の道具が発掘され、遡ること約3万年前から1万2千年前まではこの八仙洞には人が住んでいたことに気づき、1万2千年前頃に痕跡が消えたことが判明されました。しかし『長濱文化遺跡』に存在していた人たちは今の台東に住む原住民族とは異なるため、その後についてはいまだに把握されておらず、調査はまだ進んでいます。

2006年、政府は八仙洞を本来あるべき形に戻すため、まず一歩目として国定遺跡に選定しました。さらに2011年からおよそ7年の時間をかけて整備し、お寺や仏像、遺骨を別の場所へ移動。1968年の頃初めて発見された当初17個の洞窟が現在では30個もあり、全ての洞窟を探れるよう探勝歩道が整備されておりましたが、地震や台風などの被害によりいくつか破損しており、2020年末から約半年間封鎖され修復作業が行われました。先月の30日には1号洞窟がリオープンされ、今後の修復状況によって他の洞窟も一般の方に開放される予定です。

そしてくる6月5日、近年注目を浴びている台東の新しいイベント:最も美しい星空・ナイトコンサートが八仙洞で開催されます。満天の星と共に音楽を鑑賞することができ、洞窟が生み出す自然のエコーは、きっとあなたの心に一生残ります。
Pacavalj布工房 地域に元気や希望を
Pacavalj布工房 地域に元気や希望を

台東県の南に位置する大武郷、ここには南廻線で一番大きく人口が最も多いパイワン族の部落:大鳥部落があります。この『大鳥』と言う名前の由来には数百年前に人間を喰らう大きな怪鳥がいた話や地形が大きな鳥に見えるなどなど諸説ありますが、パイワン族はここを「沼、盆地」の意味を持つ『Pacavalj』と呼んでおります。近年、Uターンで地元に帰ってきた若者達が荒地を耕作用地に一変させたり、コミュニティ作りに励んだり、またはパイワン族伝統の農耕を復興するなど様々な努力と工夫が重なり、部落はますます活気を取り戻されました。

しかし2009年、今まで取り組んできたことを全て打ち壊すほどの被害を及ぼした台風8号(莫拉克)が台湾を襲い、大鳥部落は莫大な損失を被りました。住宅が土砂に流され、亡くなられた方も多く、道路が全壊になり食料の配達に困ったことも。そんな明日さえ見えない状況が続く中、部落文化発展協会は一つのアイデアを持ち出しました。部落の人たちに現地で生計を立て直せるよう、地域の女性のために『Pacavalj布工房』を立ち上げることです。部落のお母様方はここでパイワン族の刺繍をマルチに使える布バッグに施し、様々なデザインを生み出してきました。

小さな民家の中、お母様方は肩を並べてミシンと向き合います。手に取った布を見つめ、「今度はどのような工夫をしようか」と目を輝かせてます。パイワン族伝統の刺繍、それはかつて階級の象徴でもありましたが、今ではお気軽に様々な商品で見ることができます。お母様方が作り出す布バッグは実用性やデザイン性に優れているのみならず、一つ一つにパイワン族の文化への思いがこめられています。布工房の采配を担当している王さんは、「うちのバッグは南廻のビトンとも呼ばれてるわ。これまでの努力が報われた感じ、とても誇りに思う。Pacavalj布工房はビジネスでもあるけど、一番大事なのは部落の女性に自信を持たせて、部落全体を元気にさせることよ。」と、自慢気にコメントされました。Pacavalj布工房を訪れ、布バッグを実際手にとって感じてみてはいかがでしょうか。
四月はチャレンジの月 いざ、トライアスロンに挑戦!
四月はチャレンジの月 いざ、トライアスロンに挑戦!

	台東の目玉イベントであるトライアスロン、今では年間に十数回も開催されるようになっており、国内選手向けに開催されるトライアスロンや国際的に知名なアイアン・マンやチャレンジ・タイワンなどの主催者による世界クラスの競技が台東で繰り広げられています。コロナ禍が蔓延する前までは世界中の選手に出されたアンケートで『最もまた訪れたいコース』として選ばれるほど人気の台東、その理由は他でもなく絶景と人情味にあります。

一つ目に挙げる理由として、台東がこれほどトライアスロンに向いている秘密はまず競技に最適なコースがあることです。トライアスロンといえば、水泳・自転車ロードレース・長距離走の三種目を順番で連続して行う競技ですが、台東はまさに打って付けの場所。まず『活水湖』で水泳からスタートになりますが、この人工的に掘られた湖はなんと一往復でちょうど競技に必要な1.9キロになっています。続いて台11線を辿って北の方へ自転車を走らせ二往復、計90キロ走ることになりますが、太平洋の絶景を楽しみながらのロードレースは海外のコースも顔負けのほど。最後の長距離走は市街地の外回りを走りますが、PM2.5が全くない台東で走る長距離走は空気が違います。そして二つ目の理由といえば、ここの人情味にあります。コースの側やゴールには選手の家族や友人以外に現地の観戦者も多く、暖かく見守ったり大きな声でエールを送ったり、一般の方々がこの競技に対する支持が見えます。

	先月はプユマ・トライアスロンとチャレンジ・タイワンがそれぞれ10・11日と24・25日に開催され、どちらも大盛況で幕を閉じました。プユマ・トライアスロンには総勢1237名、チャレンジタイワンにはなんと6172名の選手が参加され、今の世界中の状況ではとても想像できないことです。今は国内の参加者のみで競技が開催されていますが、この最高のコース、ぜひ一度は試してみたいと思いませんか?国境が解禁され、海外の皆様が参加する時を、台東は待っております。
イベント予告

五月
・三仙台ナイトツアー
・小野柳ナイトツアー
・2021年金剛マラソン
・緑島長泳大会

六月
・2021池上竹筏フェスティバル
・2021第4回活水湖長泳大会
・2021 Starry Taitung ナイトコンサート・長濱八仙洞

七月
・2021 Starry Taitung ナイトコンサート・海端ブヌン文化博物館
・2021 台湾国際バルーンフェスティバル

※新型コロナウイルスの関係により変更がある可能性があります。詳しくは各主催者のホームページなどでご確認ください。